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ULOの思い出 前後電装装着で完成形となったダイヤモンド

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ULOのリフレクターを初めて認識したのは、80年代CS誌オーダー車紹介の1ページであった。
そこに掲載されたSWスポルティーフのリアガードに少し上向きに取り付けられた頭に"とんがり"のある見慣れない小判型リフレクターがそれで、記事には「エルス御用達の希少品」と紹介されていた。
同じ頃のNC誌誌面に登場するSW、或いはSWの広告掲載車輛にも気付けば同じものがしばしば装着されており、極めつけは「乗る人見る人自転車道楽 番外編」に掲載された編集S氏の白いランドナー。右側に転倒キズのあるULOの画像に千束氏のフランス土産であるとのキャプションが添えられていた。

SWには恐らく千束氏経由で広まったのであろうか。今にして思うと、特別な顧客、特別なモデルのみだけに装着されていたようだ。
一方、いつかS氏のと同じような白いランドナーが欲しいと思っていた自分は、思えばこのときから、ULOにロックオンしていたのではないかと思う。
一般には"エルスがアッセンブル"という理由、或いはSWの布教効果であろうか、ネットの海外オークションで直接入手する等考えもできなかった時代、それでも欲しいと思う人は、BSやキャットアイの小判型リフレクターをそれっぽく改造したりもしていた。

NC誌の読者ミーティングにアルバイトスタッフとして参加した折、恒例のオークションにULOが出品され、一万円で落札された。
自分も欲しいとは思っていたが、当時はまだ正常な金銭感覚を持っていたため、さすがにリフレクターに一万円は出せないとため息で見送ったのをよく覚えている。

そしてその少しあと、ご縁で鴨川のS木氏宅にお邪魔させていただいた際、この時の話をすると、よほど未練がましく聞こえたのだろう。
「何? ULOが欲しいの?」
とパーツが収納されたSnap Onのキャビネットをゴソゴソと探し、
「はい」
と差し出される。
S木氏の手にあるのは紛れもないULO。意味が分からず一瞬固まっていると、
「あげるよ」
との信じられないお言葉。
ハッとして貴重なお宝を受け取り、いくらかでもお支払いしようとするのだが、気にしなくていいとおっしゃてくださり、お礼の言葉とともにありがたくそしてめでたく、思いも掛けず、初めてULOを手にすることができた。
今まで様々なヴィンテージパーツを偶然などの引き合わせも含め入手してきたが、このULOを手にしたときほどの喜びに勝るものはなく、舞い上がるような気持ちで平塚の自宅へと帰宅した。
ちなみにこのULOは、「ちょっとパリへサンジェを買いに」の中でS木氏がまだデュボア夫妻により健在であったエルスのお店で、直接箱買いされたもののうちの一つという、貴重な出自の一点でもある。
そして今は、NS誌S氏の白いランドナーをオマージュした我が家の家宝、白いTOEIのリアガードにピタリと収まっている。

モデル名を「№211」というらしいこのテールライトを兼ねた中に電球を仕込める小判型タイプの他、四角い形状やリフレクター機能のみの小さなもの等、バリエーションがあることを知ったのはずっと後のこと。
とは言え、刷り込みのためULOというとこの№211が真っ先に頭に浮かび、今回ダイヤモンドに装着するテールをどうしようか迷った際、BSが当時のカタログで"小判型"を推していたのを思い出し、一見ただの小判型リフレクターに見せつつ灯りが灯るこれが、ピッタリなのではないかと思い至った。




ebayで入手、ストックしてあったULOを加え、前後"分不相応"ともいえる電装をまとったダイヤモンドDT550。
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分割ガードを廃止し、テール用配線を分断する必要をなくした。
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外回しとした配線。内蔵もさほど面倒でないことを赤鬼亭さんより教わったので、そのうちに・・・。
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給電はSANYOダイナパワー。
配線はBBシェルの中で前後へ分岐させた。
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カンパ+サンプレ、N田流の前後ディレーラー組み合わせ。
ダイナパワーのローラー脇にある黒い配線カバーがインナーに落としたチェーンと干渉する為、内側へ寄せ気味にしていたチェーンラインを教科書通りに調整したところ、フロントトリプルのシフトが劇的に改善した。
フロントアウターは1歯大きなものが手に入り、45Tから46Tに換装。
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中古のアウター引きレコードだが、アウター→センター→インナー、インナー→センター→アウターとも快調にシフトする。
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反して、デルリン故のねじれで動きにややもっさり感のあるサンプレLJ4000。と言っても、許容範囲内。
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N田氏がサンジェに持ち込まれた、曲がりの美しい日東Mod.55のハンドルバー。
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ULO№211装着のリアビュー。TOEIの方はシートテール装着の為配線を通していないが、こちらはバッチリ点灯する。
ダイナモを回すとリフレクター全体が赤く、古いカットのレンズ模様を浮かび上がらせて輝くさまは見惚れるほどの美しさ。
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これでダイヤモンドは一旦"完成型"。
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by the_4th_cat | 2022-10-22 21:31 | BSダイヤモンド | Comments(0)

'70~'80年代のちょっと古いパーツで組み上げたお気に入りの自転車で行くサイクリングと、20万キロ超えの過走行ALFA145のメンテナンス&ドライブ記録。


by 4Cats
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